
銀行にあるお金はどうやって海外に送られているの?手数料はどうなってるの?
海外送金(外国送金)の仕組み
- A君が日本B銀行にドイツのD銀行のEさんの口座への送金を依頼する。
A君 → B(日本) - 日本B銀行は、D銀行と取引がないので、フランスのC銀行にドイツのD銀行のEさんの口座にお金を振り込んで欲しいと依頼する。
A君 → B銀行(日本) → C銀行(フランス) - フランスC銀行はドイツのD銀行に、Eさんの口座にお金を振り込んで欲しいと依頼する。
A君 → B銀行(日本) → C銀行(フランス)→D銀行(ドイツ) - ドイツD銀行はEさんの口座にお金を振り込む。
A君 → B銀行(日本) → C銀行(フランス)→D銀行(ドイツ)→Eさん
ざっくり言うとこんな感じで伝言ゲームのように、依頼をしてお金が送られていきます。C銀行がD銀行と取引がないと、さらに他の銀行に依頼するので、伝言ゲームが長くなっていきます。

どうやって伝言ゲームをするの?銀行が間違えたり、だまされたりしない?
この伝言ゲームは外国間だとSWIFTというネットワークを利用して行われます。銀行はそれぞれのIDを持っていて、決まったフォーマットに情報を入力してやり取りをします。日本の中では日銀ネット、ヨーロッパではSEPAなどの伝言ゲームのネットワークがあります。

依頼の仕方はわかったけど、お金はどうやって送ってるの?
A君 → B銀行(日本) → C銀行(フランス)→D銀行(ドイツ)→Eさん
- B銀行はA君の口座からお金を引き出して、B銀行の自分のものにします。
- B銀行はC銀行の中に口座を持っていて、お金があるので、C銀行にそれを使ってもらうように依頼します。
- C銀行はB銀行の口座からお金を引き出して、C銀行のものにします。
- C銀行はD銀行の中に口座を持っていて、お金があるので、D銀行にそれを使ってもらうように依頼します。
- D銀行はC銀行の口座からお金を引き出して、Eさんの口座に入れます。
これがお金の流れです。

B銀行がC銀行の中にお金が無くなったらどうすればいいの?
B銀行はC銀行の中にお金が無くなりそうになったら、他からお金を借りたり、動かしたりして、お金を補充します。
手数料

伝言ゲームを沢山すると手数料はどうなるの?
A君 → B銀行(日本) → C銀行(フランス)→D銀行(ドイツ)→Eさん
- 送金手数料
送金の手続きに必要なコストとしてB銀行が取ります。 - 為替手数料
日本円から、ユーロに送りたいのであれば、為替手数料をB銀行が取ります。 - リフティングチャージ
ユーロからユーロに送る場合には、為替手数料はかかりませんが、お金を動かすのでリフティングチャージが別途かかります。(かからない銀行もあります。) - 中継銀行手数料
C銀行もB銀行とD銀行の間で手伝うので、手数料を取ります。 - 受取手数料
D銀行もお金をEさんへ渡す手間がかかるので、手数料を取ります。
ある程度はシステムで自動化されていますが、これだけ関係者がいると、手数料も相応に取られます。
送金手数料が安いと思ったら、為替手数料が高かったり、銀行によっても違うので、比較するのも難しいです。中継銀行の手数料は、読めないので、送った金額からひかれてしまうか、後から請求されることもあります。
新しい送金の仕組み
この伝言ゲームだとコストが安くなりにくいので、他の仕組みがでてきています。
- 一つの業者で完結する仕組み
AさんのEさんの間で一つの業者が間にはいる仕組みです。これはAさんからお金を預かって、Eさんに渡すので、手数料が安くなります。
仕組みは、Aさんの国で、お金を送りたい人とお金を受け取りたい人をマッチングさせて、Aさんのお金を別の人に渡します。お金を受け取りたいEさんとお金を送りたい別の人をマッチングさせて、Eさんにお金を送ります。
ユーザーから見るとちゃんと遅れていますが、実際は、それぞれの国の中でのお金の移動だけにしてしまう方法です。 - 有名な業者
トランスファーワイズ - その他
仮想通貨
仮想通貨に変換して、他の国で換金するなどもあります。これは仮想通貨の価値が変動するリスクがあります。
FX経由
為替手数料が安いFXで変換して送金する方法です。
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まとめ
海外送金の仕組みは伝言ゲームで手数料が色々かかる。フィンテックのおかげで、低コストで送金できる仕組みができつつある。
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